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子宮卵巣摘出

この手術は、女性特有の生殖器である子宮と卵巣を、摘出する手術です。 この手術を受けることにより、男性にはない、女性特有の生理がなくなり、これにより、精神的に楽になるという当事者も、決して少なくはありません。 子宮卵巣摘出手術と一言で言っても、タイで行われている手術方法は、開腹による手術/内視鏡を用いた手術/膣式による手術と、3つの方法があります。 ”子宮卵巣を摘出する”という意味では、方法が違えど、目的は同じですが、手術方法により、それぞれリスク等も異なりますので、手術をご検討されている方は、しっかりご検討下さい。 またFTMの場合、基本的には、この子宮卵巣摘出まで終えると、戸籍上の性別を変更する手続きができる権利が得られます。 一昔前とは違い、当事者が生きやすいように、法律が変わり、社会の在り方も変わってきていますが、少なくとも私は、手術を受ける理由が、または目的が、”戸籍上の性別を変えたいから”だけだったり、”結婚したいから”だけであっては、この命がけの手術に臨むにあたり、安易すぎるのではないかと、感じざるを得ないことがあります。 何故ならば、術後をいくら夢見て語っても、必ず無事に手術を終えるという保障はどこにもない、命がけの手術であることに間違いはありませんし、もし、”結婚すために、戸籍を変えなければならない”と、半ば、半強制的な意識に駆られて手術に臨んだ場合、結婚がうまくいかなければ、”何のために手術をしたんだ、自分は。。。”と、どん底に落ちてしまうでしょう。 そして子宮卵巣摘出手術は、術後生理がない、女性ホルモンが分泌されない等のメリットはあるかもしれませんが、この手術を受けて、子宮卵巣を摘出した後は、いくら自分の子供が欲しいと望んでも、叶わなくなってしまう現実があります。 ”だったら、人工授精して、愛する彼女が子供を授かれば、それが自分の子供と同じだ!” こう考え、人工授精(AID)に挑む方も、決して少なくないでしょう。 決して、悪いことではないでしょう。 ただ、安易に、このようなことに踏み切ることだけは、絶対にしてほしくない。 よくよく考えて下さい。 どこまで、我を貫き通しますか。。。? 自身の勝手で、親や周りの反対を押し切って、五体満足の身体にメスを入れ、子供を授かれない男性の身体になること望んだのは、誰ですか? 子宮卵巣に、命に関わる大きい病気を患い、致し方なく摘出し、子供が産めない体になってしまっている方もいるということを、どうか忘れないでほしい。 この言葉を聞いて、反論する人も、きっといるでしょう。 ”病気で取らざるを得ない人と、自分らFTMは違う!” と。。。 では、このような方がに、お尋ねします。 ”何がどう違うのか? 何故違うと、差別的発言ができるのか? そして、誰よりも差別的言動を嫌う当事者が、何故差別するのか?” 日本のこの特例法、子宮卵巣を摘出すれば、性別を変えられるという法律。 よくよく、考えれば、病で致し方なく、子宮卵巣摘出をせざるを得なかった方々にも、同様のことを言っているのか。。。と、反感の気持ちを持ってしまうことも、正直あります。 ただここで気付くこと。 FTMの場合は、”自らの希望で手術に臨む”ということ。 だから、性別違和(性同一性障害)を、”病気”と定義づけることに、少なくとも当事者自身には、意欲的になってほしくない。 子宮卵巣摘出手術後は、二度と、しっかり機能する女性の身体には、戻ることはできません。 乳腺摘出手術のみであれば、変な話ですが、シリコン等挿入して、見た目だけは戻せます。 しかし、子宮卵巣摘出手術後は、本来の子宮卵巣に変わるものはありませんし、また、これらを摘出することにより、ホルモンが作られなくなってしまうので、FTMという人生を歩まないにしても、ホルモン剤に頼らざるを得ない一生になるでしょう。 長くなりましたが、最後に。。。 手術は怖いから、”覚悟”が必要かも知れません。 しかし、手術への覚悟以上に、必要な覚悟があります。 FTMの場合は、 ”男性として、一生生き抜いていく” という覚悟。 術後、そして戸籍変更後は、何十年という残りの人生を、しっかり生き抜いていく覚悟が、絶対に必要です。 途中、何があっても、自身で決意した人生を後悔しないという、強い意志が。 だから尚更、強く思うのです。 この人生は、誰かのためにとか、何かのためにとか、理屈や目的があってするのではなく、あくまでも、”自分自身のみのため”でなければならないと。 説教染みた話になってしまいましたが、この子宮卵巣摘出手術は、それぐらい、ご自身の人生において、大きな出来事になるし、それぐらい大きく、人生を左右することになります。 周りで、ホルモン剤を投与し、胸を取り、子宮卵巣もなくなり、髭を生やした友人が、カッコよく、時には妬ましく感じることもあるかもしれません。 しかし、真似事で臨む手術ではありません。 また、もし誰かに急かされたとしても、その言葉に焦り、急いで臨む手術でもありません。 そして、例え陰茎形成(ミニペニス)まで終えたからと言って、偉そうに踏ん反り返るようなことでもありません。 本当に、真剣に手術を希望するなら、いつか必ず、ご自身に合ったタイミングが来ると思います。 だから、お節介をやいて、他人に手術を急かす権利も、誰もないし、また逆に、誰もが他人に、急かされる義務もありませんから。。。